台湾華語
One Point Advice

弊社の台湾華語通信講座を受けてくださっている方からよくある質問や、誤解されやすい点を整理してご紹介します。その背景にある現地の習慣や文化にも触れているので、きっと楽しみながら中国語の仕組みを理解していただけるはず。

検定試験対策にもどうぞ!(レベルの分類は、TOCFLを参考にしています)

「日本人」は一語か二語か?

どこからどこまでが一語かを、中国語ではどうやって見分けるのだろうと悩んだことはありませんか。

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【ヒント】中国語の意味を考える時の基本の単位は?

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【解説】

今回はひっかけ問題のようになりましたが、「日本人Rìběn rén」が一語か二語かという点は、中国語の中では重要ではないのです。なぜかと言うと、英語のように単語毎にスペースを入れて書いたりしないから。

入門段階で、日本人学習者は「日本人の先生」を「日本老師Rìběn lǎoshī(〇)」ではなく「日本人的老師(×)」と言ってしまうことがありますが、次のような例を並べると「人」の代わりに「老師,學生,朋友」を組み合わせるだけなのだということがわかりますね。

①日本Rìběn rén(日本人)
②日本老師 Rìběn lǎoshī(日本人の先生)
③日本學生Rìběn xuéshēng(日本人の学生)
④日本朋友Rìběn péngyǒu(日本人の友達)

この中で①だけが特殊だと感じる人がいるとしたら、それはおそらく英語で①だけ「Japanese」という一語で表すせいなのでしょう。以下の例も全て同じ形です。

⑤日本Rìběn chá(日本茶)
⑥日本料Rìběn liàolǐ(和食)
⑦日本政府Rìběn zhèngfǔ(日本政府)
⑧日本公司Rìběn gōngsī(日系企業)
⑨日本Rìběn chē(日本車)
⑩日本電影Rìběn diànyǐng(邦画)

中国語の中で、どこからどこまでが一語かが一番気になるのは、ピンインを書く時でしょうか。では、ピンインを書く時に、スペースを入れる場所は、どうやって決めているのでしょうか。

中国ではその点に関して、教育部(日本の文科省に相当)で定めたルールがあるため、中国で作られた辞書や教科書のピンインはそのルールに従って分かち書きがされていますが、それは、どこからどこまでがひとつの単語かという議論を正確に反映しているわけではありません。

一方台湾で作られた辞書のピンインは、以下のように一文字分ずつスペースを入れて書いてあることが多いのです。次の例は教育部の辞書サイトのものですが、「日本」という固有名詞さえ一文字分ずつ分けて書かれています。

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こうすることによって、どこからどこまでが一語なのかという面倒な議論を避けることができます。教科書のピンインの区切り方も統一されていません。普段は一文字分ずつ注音符号で発音を書き記す台湾の人たちにとって、ピンインの分かち書きは、それほど重要ではないということなのでしょう。

つまり、ピンインを書く時に、どこで区切ればいいのか迷ってしまうのはとても自然なことで、決して中国語の理解が足りないからではないのです。

もう少し例を見てみましょう。「好吃」を「おいしい」という日本語と対応させると一語のように見えてしまうのですが、次のように「好+動詞」の形で色々アレンジができることを考えると、だんだん一語か二語かわからなくなってきます。

⑪好吃hǎochī(食べ物がおいしい)
⑫好喝hǎohē(飲み物がおいしい)
⑬好看hǎokàn(見た目がよい、本や映画等が面白い)
⑭好玩hǎowán(おもしろい)

「好吃」を反復疑問文にする時には、「好不好吃?」と前の一文字だけ否定形にして繰り返すことからも、「好」と「吃」の結びつきの弱さがわかりますね。

どこからどこまでが一語なのかがわからないのは不便だと思うかもしれませんが、単語毎の分かち書きをしないのは日本語も同じ。ネイティブは、普段、中国語と同じように単語の切れ目をあまり意識せずに使っているのではないかと思います。

中国語で一番重要なのは、漢字一文字が意味の最小単位だという点です。ただ、それを組み合わせて作られた語句の中に、よく一緒に使う組み合わせとそうでないものとがあると考えた方がよいのだろうと思います。

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