学習方法や言葉と文化の関係等、台湾華語にまつわるあれこれ、たくさんお伝えします!特集記事の解説も、ここでまとめて読めますよ!

「水」と言って出てくるもの

台湾の訪問先や飲食店で、飲み物は何がいいかと聞かれ、「水shuǐ」と答えたら、いったい何が出てくるか?

そんなの「水(ミズ)」に決まってる!

と思う人が多いかもしれませんが、実はそうでもないのです。先日の訪問先で出てきたのは、常温より少し温かいものでした。中国語では、「溫開水wēn kāishuǐ」と言います。

さあ、この言葉、あなたなら、どう訳しますか?

「水shuǐ」をお願いしたのに、なぜ「水(ミズ)」は出てこなかったのでしょうか?

実は、私たちが、日本語で「水(ミズ)」と言う時には、ある温度以下のものを想定しています。なぜかと言うと、ある温度以上のものを指す「湯(ユ)」という言葉が別にあるから。

これに対して、中国語では0度から100度まで全て「水shuǐ」。温度を区別したい時には、前に何か修飾語をつけます。

この関係は次の図のようになります。

「開水」は、水を一度沸騰させたもの。それを体温ぐらいまで覚ましたのが「溫開水」です。日本語にすると「湯冷まし」になります。

日本のように、水道から出てくる生水を飲む習慣のない中華圏では、一度沸騰させたものを好みの温度まで下げて飲むのです。日本人の私は、熱くもなく冷たくもない「溫開水」を、中途半端な温度と感じてしまうのですが、人工的に冷やし過ぎたものを飲むのは身体に悪いと考えられている台湾では、この温度のものがよく飲まれています。

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0℃~100℃まである「水shuǐ」の中で、身体に一番よい温度のものをお客様に出す。だから「溫開水」なのですね。

学校や職場にある飲水機も、写真のように「冰開水bīng kāishuǐ」「溫開水wēn kāishuǐ」「熱開水rè kāishuǐ」の三つのレバーがついているものがあります。それを押すと、ご丁寧に「請用冰開水qǐng yòng bīng kāishuǐ」等としゃべってくれたりもします。

日本語と中国語、同じ漢字を使っていても、その背景にある生活習慣によって、少しずつ意味がずれてくるのが、とても面白いと思いませんか?

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